高砂酒造

大山 勉
おおやま・つとむ

昭和55年入社
洗米(せんまい)担当
酒ほとんど飲めません

■ RYOU NAKAGAWA
■ MUTSUNARI ITOU
■ YUUKI ISHI
■ MIYOSHI NAGAOKA
■ YOSHIKO ISHIYAMA
■ TSUTOMU OHYAMA
■ TSUYOSHI KOBAYASHI
■ HIROSHI OHSHIMA

米・水・人の真剣勝負
精米した米を洗ってから、水に浸けて上げるまでの工程を担当してます。ここで失敗すると、後の作業全部がダメになるので神経を遣う。本当にもう、秒単位ですから。5秒、10秒、15秒って単位で見ていかないと、水を吸い過ぎても、吸いが足りなくてもダメ。米は精米歩合が大きくなるほど水を速く吸ってしまうので、吟醸の時なんかは特にタイミングが難しいんです。

経験のデータとカンの総合判断
何秒浸けるか、浸漬時間を決めるために、最初、水を入れた受け皿に米を少しだけ入れてみて様子を見ます。研いだ米を水に入れると、徐々に白くなってく。そろそろかなと思うタイミングで上げて、水を切って重さを量って水を何%吸ってるかを出してみます。品種とか精米歩合とかによって大体は決まってくるけど、同じ品種の米でもそれぞれ品質が違うし、その時の気温とか水温とか米の温度とかによっても違ってくる。過去の経験のデータと照らし合わせながら、後はカンで決めていくしかないんです。
浸漬の水分量は30%
米に吸わせる水は、米の重さの約30%。それくらいがちょうどいいんです。それより少なくて25%位しか吸わなかったら、水を吸わないナマのままの部分が多くなっちゃってうまく蒸せない。反対に35%以上になっちゃったら、今度はごはんに近いベタベタの状態になっちゃって、うまく麹米になりません。

機械で洗い、手で浸ける
昔は米洗いも手でしたもんですけど、今は機械です。でも洗うことに関しては、手より機械の方が良い。その方が米も均等に動かせるし水も動かせるし、全体をムラなく洗えますから。手だと、どうしてもその人その人で洗い上がりが違ってくるんです。力の加減とか手の動かし方とかで、糠のとれ具合も違ってきちゃいますからね。そうして機械で洗った米を網の袋に入れて、ストップウォッチ片手に秒数を見ながら浸漬します。この洗米担当になって3~4年。それまでは蒸米の方をやったり、麹飯の助手をしたりしてました。
今の仕事を覚えるために、最初の頃は米の品種と精米歩合で一覧表を作って、それに全部細かく時間とか書き入れていって目安表を作りましたよ。でも西杜氏が来るまでは、そういうやり方はなかったですね。特に吟醸なんかは杜氏さんがやるもんで、我々が手をかけれるもんじゃないと思ってた。最初の頃ですか?うーん、やっぱり失敗はありましたよ(笑)。でも几帳面にやってくうちに、段々とね。西杜氏は、この洗米・浸漬の仕事を“隠れた職人仕事だ”ってよく言ってますね。酒造りの命は一麹、二もと、三造りって言われるけど、その前に大事なのが米洗いだって。この工程がまずかったら、いくら麹の名人でもうまくできないんだってね。

農業と通じる酒造り
うちはもともと米農家なんです。酒造りも米相手の仕事だけど、農業の仕事に通じるところがあるなと思いますね。手間かけて、神経遣って、生き物相手の仕事ですから。でも、こうして一生懸命やって造ってる高砂の酒ですけど、私自身は・・・残念ながら酒はほとんど飲めないんですよ(笑)。


飲酒は20歳になってから。飲酒運転は法律で禁止されています。妊娠中や授乳期の飲酒は、胎児・乳児の発育に悪影響を与えるおそれがあります。お酒は楽しく、ほどほどに。