長岡 みよし
ながおか・みよし

平成8年入社
麹(こうじ)担当 
好きな酒
「一夜雫」

■ RYOU NAKAGAWA
■ MUTSUNARI ITOU
■ YUUKI ISHI
■ MIYOSHI NAGAOKA
■ YOSHIKO ISHIYAMA
■ TSUTOMU OHYAMA
■ TSUYOSHI KOBAYASHI
■ HIROSHI OHSHIMA

手こそ精巧な温度計
蔵で働くようになったのは平成8年。それまではずっと冬場だけ瓶詰めの仕事をやってました。麹をやるようになったのは、西杜氏になってから。手がきれい?そうですか?麹菌でかな(笑)。そう言われてみるとそうかもしれないね。瓶詰めやってた頃は手、荒れてたもの。クリームとか何も塗ってるわけでないよ。この仕事やってたら、そういうの絶対つけれないですからね、化粧もできないしね。手は大事です。温度管理も何もかも全部手でやるからね。蒸かした米を広げて水分を飛ばす時も、温度計より手が一番わかる。温度計だとどうしても針が細いから、米の固まりに刺さったら温度高くなったりするのさ。だから手で触った方がちゃんとわかるのね。触ってみると、今この温度だったらあと3時間したら何度になるなとかも見当つくし。手の感触でわかるわけ。

“もやし”を振って8年目
麹造りはまず、蒸かした米の水分飛ばさなきゃなんない。部屋ん中は暑いよー(笑)、40度あるから。もやし(麹菌の胞子)を振る時は、部屋の電気を消して懐中電灯で照らしてやるの。そうしないと胞子が落ちてくのが見えないから。
もやしは“種切り”って呼んでる小さな缶に入れて、洋服の裏地に使うある生地を張って、その繊維の網目のふるいを通すようにしてまんべんなく米にかけてくの。最初は油濾しを使ったりしてた。よそではガーゼでやってるとこもあるみたいですけどね。今の時代、手でもやし振ってるとこは少ないから、種麹屋さんに杜氏さんが訊いたり、私も一緒に試してみながら、このやり方がいいってなってそれでやってます。西杜氏は「仕事が丁寧できれいだ」って褒めてくれるけど、丁寧に丁寧にやらないと全体に同じくかからないからね。神経は遣いますね。空気が動いちゃだめだから、仕事する時は自分だけ。他の人は部屋に入れられないしね。胞子は懐中電灯の光を当てると光って、たばこの煙みたいにふわーって見えます。

赤子を見守るような温度管理
同じ米を同じように蒸かしても、その時によって軟いの硬いのって違ってくるから、水分が飛ぶ時間も全然違ってくるの。朝、蒸かした米が出てきたら、午前中は水分を飛ばすために何回もかやすの。表面の水分を飛ばして、米の中にだけ水分を残すわけ。広げてはかやして、触ってみてまたかやして、熱い時は広げておくけど、冷めてきたらまとめて、それを5回くらいやって、29.5度から30.5度の間までの幅におさめます。
麹菌が繁殖するのにちょうどいい温度にもってかないとなんない。そやって温度調節して、もやしを振るのはだいたい1時頃ですね。あと、吟醸の場合だったら、切り返しも何もできないから、じっと温度を見てて、下がりそうだったらネルを布団みたいにかけて保温してやるとか、そういう調節をこまめにしますね。

その日その日の麹の出来が楽しみ
やりがいを感じる時?それはやっぱり麹ができた時ですね。毎日毎日、出来具合が違うから。麹によってもろみも変わってくるし。麹の出来の良い悪いってのは、朝パッと見たらだいたいわかりますね。白くなって、表面で菌が繁殖してなくて、中に入っているのがいい状態。味も見ます。甘いのはだめ。べちゃっとしてるのもだめ。さらさらとして、ほのかに栗のような甘さが感じられるような上品な甘さと香りが良いっていわれてますね。
好きな酒?アルコール自体、あんまり飲めないんです。家でふだん飲むこともあんまりないし。でも「一夜雫」はやっぱりおいしいなと思います。純米なんかも好きですけどね。


飲酒は20歳になってから。飲酒運転は法律で禁止されています。妊娠中や授乳期の飲酒は、胎児・乳児の発育に悪影響を与えるおそれがあります。お酒は楽しく、ほどほどに。