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麹米用も掛米用も適温に冷ます技
蒸かした米を冷ます放冷作業を主に担当してます。蒸米を冷やすのは全部僕が担当してるんですけど、放冷機から室に入れる麹米用と、もろみを仕込むタンクに行く掛米用があって、どっちもちょうどいい感じになるように機械を調整して上手く冷ます、その温度管理です。麹米にする方は、室に引き込む前に手で冷ましていきます。みんなで米をワーッと広げたり、寄せたりしながら。掛米にする方は放冷機で冷まして、タンクに入れます。麹米と冷ました蒸米をもろみに仕込むのも僕の仕事です。仕込みの間、20日から1カ月弱近く温度管理していきます。放冷作業の温度管理で一番難しいのは、気温との関係。うちの放冷機は空気を吸うんですね。だからその日の気温によって冷え方が全然違うんですよ。外が寒かったらすぐ冷えるんです。放冷機の仕組みを言うと、風を当ててるわけじゃなく、吸って熱を外に出してるんです。外が寒い日は蔵の中も寒いんで、だから気温によって冷え方が全然変わってくるんです。中はあったかいままで、表面と下だけが先に乾いちゃうんですね。蒸米機から出て来る米の厚さも調整できるんですけど、厚くすると中まで冷めなかったり、もち純米を造る時なんかもネバネバして全然冷めないですしね。だからみんな放冷機の上でブワーッと人力で混ぜて混ぜて冷ますんです。それはほんとにその時の現場判断です。
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難しくて奥が深い
もろみの温度管理
一番難しくて奥が深いなと思うのは、もろみの温度管理ですね。僕みたいなのはまだ見ただけでは何となくしかわからないんですけど、工場長はみただけで温度がわかるんで。だいたい朝に僕が温度を測るんですけど、帳面に記録をつけておくんですね。それを後で工場長がチェックして、「近藤君、この温度まで上げてくれるか?」とか、「下げてくれるか?」とか指示してもらって冬の間ずっと温度管理をしてる状態です。もろみの仕込みは、添え・仲・留めの三段階に分かれるんですけど、それぞれの温度がビタッと決まった時はやっぱりうれしいですね。コンピュータで温度管理されてる蔵だったらラクかって?どうでしょうか、まあそうかもしれませんけど、造ってて面白くはないでしょうね(笑)。一生懸命工夫するから成功した時に喜びがあるんでしょうしね。だから蔵の設備もそれなりに新しくなって欲しい反面、僕の中では今の環境での酒造りが楽しみでもあるんですよね。
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機械化されてない蔵を希望して
僕は神戸出身で、二十歳の時に東京農大の短大を受験して、醸造学科に入りました。高校出てからやりたいこともなくてバイトしながらフリーター生活をしてたんですけど、その時、日本酒に出会って酒造りをしてみたくなったんです。自分で働いて貯めたお金と奨学金で通いました。卒業する時、先生に相談して紹介してもらった就職先が高砂酒造。全国どこでもいいですけど、機械化されてない蔵にしてくださいってことだけお願いしました(笑)。今、入社3年目ですけど、1年目は室に入ったり、2年目からはもろみの助手をやりながらヤブタ(圧搾機)に行ったり、米も洗ったり、一通り手伝わせてもらいながら酒造りを覚えさせてもらってます。工場長からは「何でもいいから恥ずかしがらずに訊きに来なさい」と言われてますし、わからないことはどんどん訊いてます。
蔵の仕事は体力仕事
この3年でずいぶん筋肉がつきました。
久しぶりに会った先輩にも言われたましたね。僕、前はピョロピョロしてたんですよ(笑)。米袋運ぶにしてもうまく持てなかったんですけど、ここで働くようになってからはごはんもたくさん食べるようになりました。餅なんか一度に16個くらい食べたり(笑)。酒ももちろん飲みますよ。「一夜雫」は好きですけど、ちょっと高いから自分ではなかなか買えない。個人的には「ひやおろし」が好きなんです。基本的には純米や特別純米を常温で飲むのが好きですね。
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