伊藤 睦成
いとう・むつなり

平成18年入社
麹室担当
好きな酒「銀河雫」
※「銀河雫」は海外輸出用銘柄のため
 国内では酒蔵直営売店のみの販売と
 なります

■ RYOU NAKAGAWA
■ MUTSUNARI ITOU
■ YUUKI ISHI
■ MIYOSHI NAGAOKA
■ YOSHIKO ISHIYAMA
■ TSUTOMU OHYAMA
■ TSUYOSHI KOBAYASHI
■ HIROSHI OHSHIMA

温度調節で二昼夜の真剣勝負
麹を振った蒸米を麹室に入れて麹米が出来上がるまでの工程を担当しています。普通酒の場合は朝に入れて、その日は昼から切り返し。その後、麹菌を繁殖させるためにそのまま一晩寝かせるんですが、折(おり)と呼ばれる畳一畳分くらいある木の蓋にさらしを敷いて、蒸米を盛り分けていく作業がまずあります。その折を何段にも重ねて、温度管理をしながら麹菌を繁殖させていくんです。温度管理はすごく難しい。普通酒では最初34度に保って、折の中でまたバラバラに混ぜ返す「中仕事」をして、今度は38度まで上げてやる。麹菌は繁殖して熱を持ってるので、温度が早く上がり過ぎるようだったら、折と折の間にコマって呼んでる木片を挟んでやって隙間をあけて温度調節をしてやります。38度になったら今度は「仕舞(しまい)仕事」。蒸米をまたバラバラにして、手で溝をつけて表面積を大きくしてやる。そして42~43度まで上げて、そこからまた一晩おくんです。で次の朝、麹菌の繁殖がそれ以上進まないように揺すってバラバラに砕いてやる。そして朝のうちに「出麹(でこうじ)」っていって麹室から出すんです。
酒造りで大事なのは昔から「一麹、二もと、三造り」って云われてますけど、中でも大事な部分なので気を遣います。長岡さんと工場長に教わりながら、何とかやってます。
さらに難しい吟醸酒の麹造り
吟醸酒の場合は、普通酒より、時間も手間もかかります。普通酒の場合は放冷機の上で麹を振って、冷ました蒸米をそのまま室に入れちゃいますけど、吟醸酒の場合は蒸米を拡げて手で温度を測って、冷めたところで室に入れてやる。放冷機は通しません。精米のパーセンテージにもよりますけど、35度とかだったら通さない。だから夜、普通は2時間おきくらいに様子を見て、温度が安定しない時は1時間おきに見て、朝までついてます。仮眠しかとれません。吟醸は絶対に目が離せない。温度が高い時はコマの間をあけて早く冷めるようにしますし、低い時はコマを取ってしまって調節します。ベテランになれば、あとどれくらい時間がたてば何度になっていくなっていう読みができるようになるんですけど、まだまだ。今、夜は川田さんに教わりながら、やらせてもらってます。コマも、厚みの違いで2種類あるんですよ。さらにそれを両側にかってやる時と、片方だけにかる時があって、微調整の仕方も色々。コマ1枚でも読み違えると、次に見た時、温度がカクンと下がってたり上がってたりっていうのがあって難しい。吟醸の温度管理は、それでほんとに酒の味が変わってしまうんで神経を遣います。
難しさを知るたびにやりがい
もともと酒づくりって仕事に憧れがあって、それで転職しました。
よくテレビとかで蔵の人が櫂棒でタンクを突っついてるの見て、自分もああいう仕事がやりたいなと。だから今、凄いうれしいですね。最初は瓶詰めの方に配属になったんですけど、酒造りがしたいしたいって言い続けて(笑)、念願叶って去年の10月から酒造りに加わることができました。実際やってみると、奥が深くて凄い難しいし大変です。でも、凄い楽しいです。やりがいあります。麹を造るっていうのは、自分だけの力で造るもんじゃないですよね。手助けをしてあげてるっていう感じで。だから「よく育ってほしい」って毎日祈るような気持ちです。だんだん仕事が見えてくると、朝、パッと見ただけで、思うようにできてるかどうかわかるんです。生き物ですから、温度や湿度によって全然変わっちゃいますからね。いい麹ができた時は、ほんとに匂いからして全然違うんです。手触りも違います。サラサラしてる。急激に温度が上がったものとかは、手を入れるとベチャッとした感じなんです。はぜこみがよくなくて、菌糸が内に入らないで外にあるというか。いい麹ができた時はやっぱりうれしいですね。そこからまた次の造りが始まるんですけどね。酒造り、好きです。酒も好きです。高砂の酒で一番好きなのが純米大吟醸の「銀河雫」。飲む時は、ごはんと一緒にではなく、寝る前に酒だけでゆっくり愉しんで飲んでます。


飲酒は20歳になってから。飲酒運転は法律で禁止されています。妊娠中や授乳期の飲酒は、胎児・乳児の発育に悪影響を与えるおそれがあります。お酒は楽しく、ほどほどに。