石山 美子
いしやま・よしこ

平成17年入社
分析担当
酒ほとんど飲めません

■ RYOU NAKAGAWA
■ MUTSUNARI ITOU
■ YUUKI ISHI
■ MIYOSHI NAGAOKA
■ YOSHIKO ISHIYAMA
■ TSUTOMU OHYAMA
■ TSUYOSHI KOBAYASHI
■ HIROSHI OHSHIMA

四つの工程でデータ分析
私の場合は、お酒を造る工程からはちょっと離れてるんですけど、造りの途中や終わった後に、酒度とかアルコール度数とかを測定するというのが仕事です。四つのタイミングで測ります。もろみの時、搾った時、濾過の時、そして瓶詰めから上がってきた時ですね。
もろみの時は毎日毎日、酒度とかアルコール度数とかアミノ酸度の数値を測って、どういうふうに変化していくかをチェックします。冬場の仕込み時期はいろんなタンクが入ってくるので、チェックは土日も休みなく毎日毎日してます。冬場はすごく忙しくて地獄です(笑)。冬が過ぎると、冬場に造ってタンクに貯蔵しておいた酒を引っ張ってきて調合して製品にしていくわけですけど、本当にその酒度があるかとか、アルコール度数は間違ってないかとか、そういうことを調べます。その数値によって、どれくらいの水を加えたらいいかを決めるんです。そうやって調合して、瓶詰め工程が終わった後でまた調べます。最後の確認ですね。万が一ということがありますから。たとえば瓶詰めの時、瓶を洗ったお水がちょっとでも残っていて混じったりしたら度数が落ちちゃいますよね。なので、最後の最後まできっちり測ります。もし違う数字が出たら、原因を突き止めて、その工程をやり直さなければなりません。確認とはいえ、ドキドキします。

ひとりぼっちの孤独な仕事
「分析室」って事務所から蔵に行く途中にあるので、隔離されてるんですよね。一人でこもってやってます。はい、孤独です(笑)。自分で持って来て、自分で分析して、自分で書いて提出して、全部自分だけです。よそのことはよくわからないですけど、ここみたいな小さい酒蔵だと、だいたいこんな感じじゃないんでしょうか。蔵の皆さんとは仲いいんですけどね。蔵にはいろんな年代の方がいるし、私は一人で離れてるので、かえって皆さん気を遣ってくださって、通りがけに声をかけてくれたりします。

人間が測る、機械が測る
分析の方法には、人間が測るものと、機械にかけて測るものがあります。酸とかアミノ酸は機械にかけるんですけど、アルコール度数と酒度は目で見ます。アルコール度数は、フラスコにお酒を入れてアルコールランプで熱して蒸発させて酒精計、酒度計で測ります。アルコール度数を測る時が、いちばん神経を遣いますね。0.1とかコンマいくらの微妙な世界ですから。測る時、日本酒の温度は15度にするっていう決め事があるんですよ。お酒の温度をまず15度にするんです。単純なことですけどそれに近づけるのって結構大変で。夏場は冷ましてみたり、冬場はあっためてみたり。あっためるのよりは冷ますのがやっぱり難しいですね。気温がどんなに変化しても15度を死守します。酒度は、酒度計で測ります。日本酒の甘い辛いを測るものですね。目盛りが上がってプラスになると辛い、沈むとマイナスになって甘いんです。あと、酸とかアミノ酸の酸度を測る時も、数字のほかに目で見て色を確認します。
酸に変わる時って黄色から黄緑っぽく変化するんです。その色を見て、1.6とか値を出します。アミノ酸は紫っぽくなります。目で覚えなければならないので、最初はわかんなかったですけど、やってくうちにわかるようになりました。機械だけにまかせないで、人間がこうやって丁寧に測るのも大事かなと思います。

きっかけは求人誌
この仕事に就くきっかけは求人誌。「分析」ってどんな仕事なんだろう、何か面白そうだなって思ったから。何か特殊そうな仕事ですよね。だから「あ、かっこいい」って(笑)。もちろんまったくの未経験者です。でも興味が湧いたってことは、こういうデータを扱うような仕事に魅力を感じたってことかもしれないですね。お酒自体に興味があったわけではないんです、すみません(笑)。お酒、まったく飲めないんですよ。日本酒だけじゃなくお酒すべて。日本酒ができていく仕組みもここにきて初めて知ったんです。でも知ると、本当に面白いなぁ、こうしてできていくんだなぁと。でもだからってお酒が飲めるようになったわけじゃないんですよね。あ、主人には飲ませてます、この間は「一夜雫」を(笑)。

日々の仕事にやり甲斐を感じて
私の仕事はお酒を直接“造る”仕事ではないので他の皆さんとはちょっと違うと思いますけど、でもやっぱり、賞をとった時は一緒に「ああ良かったな」っていうのはありますね。あとは「今日もちゃんと測れた」っていう、日々の積み重ねですね。高砂の酒は人が手で造っていて、そこに自分が加わってるんだっていうのを感じます。


飲酒は20歳になってから。飲酒運転は法律で禁止されています。妊娠中や授乳期の飲酒は、胎児・乳児の発育に悪影響を与えるおそれがあります。お酒は楽しく、ほどほどに。